うう・・・、昨日も全然眠れませんでした・・・。
これで一昨日に続いて2日連続で徹夜・・・、さすがにきついです。
でも、眼を閉じると、ネギ先生の可愛らしい唇を思い出してしまって、如何ともし難く・・・。
あ、そういえば、ネギ先生の唇はとっても柔らかくて、なんだか甘い味がしたんですが、・・・私のはどうだったんでしょうか?
気になり・・・って、何を考えているんですか、私は。
アレは事故です。
アレは間違いです。
アレは気持ち良かっ・・・ってだから、違うです!


ユエま?第4.01話 夕映とハルナとのどかとカツ丼?


極限にアホな方向にしか働かない弱りきった頭をふらふらとさせながら、私はベッドを降りて居間に入りました。
一度ネギ先生と話し合えれば落ち着けるとも思ったからですが・・・。
一番の理由はやっぱりただ話したいだけ・・・って違うです!
「おはよー、ゆえー。
今日は随分のんび・・・り?」
「うをっ!?
ゆえっ、大丈夫!?
眼はすっごい腫れぼったいし、顔真っ赤だしっ!!
熱あるんじゃない?」

居間でまったりしていたのどかとハルナが私の様子に気づいた様で、慌てて声をかけてくる。
・・・しかし、私はそんなに心配されるような状況なのでしょうか。
そんなことは無いと思うのですが。
「体温は少し上がっていますが、風邪等ではありません。
風邪の初期症状は見られませんから。
ですが、眼を閉じるとあの事が思い出されてしまって・・・。
って、い、いえ、何でもありませんよ。
うう・・・迂闊に喋ってはダメですね。
頭が働かないです。」

ここは話題を変えなければいけません。
ハルナとのどかが動転して私の発言を深く考えない内に−。
「ネ、ネギ先生の姿が見えないようですが?」
って、これではよりやばい方向に話が流れてしまいそうです!
ああ、この唐突さを気にしないでくれると嬉しいですけれども。
気になってしまうのは仕方ありません、なにしろ、昨日、キ、キ、キッ、キスしてしまったのですから。
って、何自分の思考に動揺してますか・・・アホです。
というか、落ち着くです・・・。

「うん?ああ、ネギ君なら双子に拉致られたよー。
朝のそれもかなり早い時間だったから、ちょい驚いたわー。」
「えっ!?
そ、そうですか・・ぁ。」
思いもよらず顔が引きつるのを感じる。
うう、昨日のショッキングな出来事と寝不足が重なって、かなりらしくない思考が浮かんでしまいます。
ネギ先生を連れ戻したい、なんて。
・・・独占欲ですかね、このムッとする感情は。

「うーん、なんかゆえ、怒ってる?」
うっ、相変わらずこういう事は鋭いですね・・・。
「そーいえば、ネギ君も朝からなんか調子おかしかったんだよねぇ・・・?
ズバリ、何があった!?」
「ネギ先生も!?
・・・そうでしたか。」
思わずほっとしてしまう。
ネギ先生も、ああ、私と同じことで悩んでくれてたんだな、と思うと嬉しくなる。
って、うう、だから落ち着くです。
こんな感情の揺れ幅が大きいのは論外です。

「ゆえ、なんだか嬉しそー?」
「そうだねー、これはやっぱり昨日何かあったな!
のどかっ、確保―――っ!」
「ごめんねー、ゆえー。
でも私も気になるなぁ?」
のどかに後ろから羽交い絞めにされて・・・っ。
「の、のどかっ!?
後生ですから、見逃してくだっ・・・あーーーーっ!!」

・・・しばらくお待ち下さい・・・

「わ、分かりました。
全部、お話しますから、もぅ、許して・・・。」
がくりと頭を垂れる。
うう・・・、ひどすぎです。
「ふっ、この私のゴッドフィンガーにかかればざっとこんなモンよ。」
「ハルナのくすぐりは凄い威力だねー。
ゆ、ゆえ、大丈夫?」
「のどかっ、敗者に情けは無用だよー。
さぁ、きりきり喋るがいいー。」

「じ、実は、その、や、やっぱり逃げ・・・っ」
うっ、ハルナの眼がギュピーンと光るエフェクトが。
・・・大魔王からは逃げられないわけですか。
魔法のことは言うわけにはいきませんから、そこだけはボカさなければいけませんね。
というか逆にハルナのせいで眼が冴えて、頭が働くようになってきたかもしれません。
「じ、実は、事故でネギ先生と、そ、そのキス・・・してしまいました。」

「おおっ!」
何故ハルナが嬉しそうですか。
「ええっ!?」
のどかはびっくりし過ぎです。
そ、そんなに私がキ、キスしたのが信じられませんか?

「うう、それで少し意識してしまいまして・・・。」
「ふむ、普段のゆえと比べると、少しどころじゃないけど。
それはラブだね、ゆえ。
いやー、ついにゆえも色を知る年頃かー。
相手が10歳ってのはちょっとどうだろう、だけどー。」
「そ、そうなのー、ゆえー?
でも、ネギせんせー10歳だけど、根っこの部分では私たちよりずっと大人って感じるもん。
ネギせんせー、カワイイだけじゃなくて、カッコイイと思うよー。」
「そうなの?
ふーむ、私の人物鑑定もまだまだかー?
これはネギ君の人物像を見直す必要があるねー。」
わいわいとネギ先生批評に華を咲かせる2人は、もう私が、その、ア、アレだってことを疑ってないみたいな感じで。

「ち、違います!
相手は10歳の子供ですよ!?
そんな訳無いじゃないですか、全く。
ジュースでも飲んで気分を落ち着ければ、すぐに気にならなくなりますよ。」
私はまるで自分に言い聞かせるように言った後、買い置きのジュースを冷蔵庫から取り出した。
ストローを刺して、ちゅーと飲み始めたところで。
「あっ、そういえば、双子と出て行ったネギ君だけどさー。」
絶妙なタイミングでハルナが話し始める。
・・・絶対何か狙ってますね。
「2人に腕、組まれてたよー。」

プーッ!
思わず吹いてしまったです。
予想していたのに、なんたる結果ですか・・・。
「な、何を突然。」
というか落ち着くです。
落ち着いて、冷静に・・・。

「あ、ハルナー。
今日のお昼ご飯は親子丼にしようかー。
『ネギ』をたっぷり使って?」

プーッ!!
思わぬ方向から援護射撃が、うう、口の周りべたべたです・・・。
「のどかまでっ!?」
「えへへー、だって、ゆえ素直になってくれないんだもん。」
「す、素直も何も・・・。」
「いやいや、今日のお昼は『キス』の天ぷらとか?」

こんどのハルナの攻撃は辛うじて耐えましたが、い、いつまでこの状況が・・・。
「ま、お昼はカツ丼だね!
フフフ、たっぷり尋問してあげよう?」
「もう十二分に尋問されたです・・・。」
これらかのことを考えると、本気でゲンナリしてきました。
しかし、こうなったからにはまだ、ネギ先生が居なくて良かったかもしれません。
今頃、どうしてるんでしょうね・・・。
・・・はぁ、現実逃避はこれぐらいにして、本気で切り抜ける方法を考えなければいけませんね。
今日は長い1日になりそうです・・・。


ちなみにその頃のネギはというと。
「はいっ、ネギぼーず、あーん?」
「ええっ!?
いあっ、やめて下さいーっ。」
「ああっ、レディからの誘いを断る気かー?
英国紳士の名折れだぞー?」
「そ、そうですね。
よーし、あ、・・・あーん。」
「へ!?
ほ、本気・・・?」
「はい、先生。
あーん。」
「あー、史伽っ!?
それボクんだぞー!?」
とか平和にやってたとかなんとか。
(終わり)