朝の訓練を終えた私は、木乃香お嬢様とアスナさんとの3人で、寮への帰路へ着いていた。
「せっちゃん、今日はお休みやー」
「はい?」
そんな最中、お嬢様の突然の台詞に、私はきょとんとして生返事を返してしまう。
慌てて、その意図を汲み取って返事をする。
「あ、そうですね。
今日は日曜日ですので、学校はお休みですね。」
「そやないえー。
せっちゃんが、今日、お休みなんやー。」
「は、はぁ・・・。」
・・・いまいち、話が噛み合っていないような。
隣に居るアスナさんに顔を向けると、こちらを向いて苦笑い。
「アスナさんは、あの、どういう事か・・・?」
「あー、其の事だけど。
今日はね、刹那さんにゆっくりしてもらおうと思って。
このかが、護衛任務はお休みして欲しいって。」
そ、そんなこと言われても、お嬢様が万が一、危険に巻き込まれでもしたら・・・?
や、やはり、それはダメですっ!?
「お、お嬢様っ!
そう言う訳にはっ!?」
しかし、私が何か言うよりも早く、お嬢様が有無を言わさぬ口調で、
「ともかく、今日はせっちゃんはお休みー。
戦いは禁止やからね?
ウチのことは、今日は図書館島探検部の会合に出るだけやし、アスナに付き合ってもらうから、心配あらへんよ?」
と言うと、アスナさんもそれに口ぞえする。
「突然過ぎるのは良くなかったけど、確かに刹那さんも羽を伸ばす時間は必要でしょ?
まー、私じゃ、このかの護衛として役立たずかも知れないけど・・・?」
「い、いえっ、そういうわけでは・・・!
アスナさんの此処の所の成長振りは目を見張るものが有りますし、並大抵の相手であれば、遅れを取ることなどないとは思いますが・・・!」
「あ、そうそう、この後は、ネギ君がエスコートしてくれるやてー?」
「えええっ!?こ、このちゃんっ!!?」
「ネギ君、アレでなかなか女の子の扱い上手いからなー。
きっと、せっちゃんも満足するえ?」
「ま、10歳のガキの相手させるのが、お休みになるかは微妙だけどね・・・。」
アスナさんはそう言うものの、その表情から、ネギ先生なら大丈夫という信頼に溢れていることがよく分かる。
「し、しかしっ!?」
でも、それであっさりと従えるものではないのが、心というものだ。
「ネギ先生、実はもう待ってたりするえ?」
「え?」
「・・・実は、30分ぐらい前から待たせてたり。」
この2人、ネギ先生に対して結構酷い事をしてるな、と思いつつも、
「・・・分かりました。」
と、なるべく不承不承に見えるように答えた。
ネギ先生と一緒ならば、万が一お嬢様の身に危険が迫った際、
すぐにお嬢様を私の元へ召還してもらうことが出来るという、打算で動いていると見せたかった。
・・・だけど。
本当は、ただ、ネギ先生と一緒に歩いてみたかったという想いがあったのだ。
でも、それを素直に表すのはちょっと恥ずかしかったから。
なるべく、お嬢様がソレを望みなら仕方無く、という風を装ったのだ。
「なー、ネギ先生、待たしといて正解やったやろ?」
「まーね。」
そう言って、苦笑する2人には見え見えの芝居だったのかも知れないけど。
ともかく、こうして私とネギ先生の休日が始まったのだった。
魔法先生ネギま!SS 剣と幸福のカタチ
「す、すいません。
遅れてしまいまして。」
私はネギ先生との待ち合わせ場所であるダビデ広場まで急いでやってきたが・・・。
こういうとき、いわゆる、普通の人たちが少しだけ羨ましくなる。
だって、私は息を切らすこともなければ、服装が乱れた様子もない。
これでは、私がどんなに急いでも、そんなものは伝わりっこない。
・・・が。
「お疲れ様でした。
缶ですが、紅茶でもいかがですか?」
そう言って、にっこりと笑いながら紅茶の缶を差し出すネギ先生。
そんな先生を見て、私は思わず笑い出しそうになってしまった。
全く、私のそんな些細な悩みにさえ気付いて、気遣おうとして・・・。
確かに、ご自身で仰る通り、紳士的な対応なのだろう。
「どうしました?
ぼ、僕何か変なこと言っちゃいました?」
そう言いながら、慌てている少年と同一人物とはとても思えない。
「いえ、今日はネギ先生がエスコートして下さるそうなので、どこへ連れて行ってくれるのかと、楽しみに思っていただけです。」
そう言いながら、今度はきちんと笑顔を作れたと思う。
「ええっ、刹那さんをたっぷりと労ってあげますので、楽しみにしていて下さいねっ!」
そんなことを言うネギ先生の笑顔に、まるっきり可愛さで負けてしまうのはちょっと女として悔しいものがあったりする・・・が。
全く、こんなことを考えている自分自身に一番驚かされる。
そうやって苦笑している間にも、落ち着きを取り戻したネギ先生はこちらをにこにこと見つめていた。
「それじゃあ、ネギ先生、行きましょう?」
照れ隠しの様に、咄嗟にネギ先生の手を取って走り出す。
そんな私の反応に動揺する気配も見せず、簡単に私の手を握り返すネギ先生に、また一段階、鼓動が高鳴ってしまう。
落ち着け、刹那っ!?
相手は10歳の子供で、でも、この学園で関わる男性の中では・・・もしかして、一番年が近い・・・?
そ、そういうことではなくっ!?
私には、このかお嬢様がっ!!?
・・・それも違う!!!
それにしても・・・はぁ。
こんな調子で、私は、今日を無事に乗り切れるのだろうか?
それから、学園都市内を電車で移動して、20分ほどで本日の目的地らしき場所へと到着した。
「今日は麻帆良学園都市内にあるテーマパークに来てみました!」
ネギ先生が入場門の前で、説明口調で私に話しかけてくる。
「テーマパークですか・・・、私はこういう所にはほとんど来たことありませんね。」
来たことは数度、それもお嬢様の護衛で来たことぐらいで、アトラクションに参加したことなど、少し前の麻帆良祭が始めてのような気がする。
・・・そこまで考えて、あ、と思い当たる。
「ネギ先生、もしかして?」
私は自分の思いつきを確かめようとネギ先生に向き直ると、案の定、
「ええ、麻帆良祭のリベンジです。
あの時は超さん探しで刹那さんはあまり楽しめなかったようでしたので、今回は思いっきり楽しんでもらおうと思いまして。」
などと言う返事。
確かにあの時は、ネギ先生がかなり楽しんでいた割には、私は超さんが気になって、そこまで割り切ることは出来なかった。
それに加えて、慣れていない空間に、なかなか馴染むことが出来ない私の性格のせいもあるのだろうけど。
だったら、ココはネギ先生のエスコートを期待するべきなのだろう。
「それでは、今日はネギ先生にお任せしますので、宜しくお願いします。」
私の言葉に、
「任せてくださいっ!」
と張り切るネギ先生がとても楽しそうに笑っているので、私もつい笑顔になってしまう。
そして思ってしまうのだ。
純粋にただ楽しむために、こんな風に過ごすのも偶にはいいかもしれない、なんて。
最初は、屋内にあるアクション参加型のアトラクション、自分の動きと連動するキャラクターを操作して、ゾンビのような敵を打ち倒していくゲームだ。
龍宮の真似をして撃ってみると、てんで上手くいかなかったりして、そんなことをする自分に吹き出しそうになってみたり。
ネギ先生はそんな私のフォローをごく自然にこなしていた。
そのくせ私よりも得点が高かったりして、そんなネギ先生に負けられないと、ついつい得点勝負に夢中になってしまう。
ゲームが終わってみると、案の定、負けてしまっていたが。
「じゃあ、次は剣のアトラクションにしましょう!」
こう言ったゲームでも負けたままなのは良くない。
私は不敵な笑みを浮かべて、ネギ先生に次の勝負を持ちかける。
「ええ、いくら剣とはいえ、負けませんからねっ!」
ネギ先生もちょっとだけ真面目な顔付きになり、そして、次の勝負が始まった−。
「う、うーーーんっ!」
室内のアトラクションを一通り堪能した私たちは、日の当たる外へと出てきた途端に2人揃って伸びをした。
「ぷっ、あはははっ。」
「くっ、ふふふふ。」
そして、そんな姿を互いに見合って笑いあう。
「対戦成績は5勝5敗で五分五分でしたね。」
「そうですね。
でも、剣を使ったアトラクションと、後は単純に身体力を競うゲーム以外では、一個も勝てなかったのが残念です。」
銃を撃つ動作や、景品として貰った探偵ゲームの虫メガネを構えたりしながら、ネギ先生に答える。
「リベンジは何時でも受け付けますよ?」
珍しくもそんなことを言うネギ先生と2人でもう一度笑いあう。
「じゃあ、次はジェットコースターに乗りましょうか?」
私にいつの間にか買ってきたらしい缶ジュースを差し出しながら、ネギ先生が尋ねてくる。
「ええ、乗ってみましょう。」
なんて、私は自然に答えていた。
そして、気づいた。
この場所への抵抗感がほとんど無いことに。
ネギ先生が凄いのか、私が単純なのか・・・。
どちらにしろ、楽しめているのだから、良いんだろうけど。
ネギ先生の時間の取り方が良かったのか、ジェットコースターには直ぐに乗れた。
楽しみ方が分からない私に、ネギ先生は自分から叫び声を上げて、遊び方を教えてくれる。
そして、私も恐る恐る叫んでみたりしたら結構爽快な気分で、叫ぶことで楽しめることがあるなんて、初めての体験だった。
そして、それからは凄かった。
横に揺れる海賊船の乗り物に、ウォーターライド、フリーフォール、ホラーハウス、コーヒーカップ、ミラーハウス、それから、
ちょっと子供っぽいメリーゴーラウンドまで、ネギ先生の案内の下、適度な休憩を挟みながら遊んだ。
お昼ご飯は、ちょっと洒落た感じのレストランで、ネギ先生は全く物怖じすることもなく、私の分まで自然な感じで注文する。
・・・本当にパーフェクト紳士ですね、とため息混じりに思う。
そのとき、『紳士』という言葉が私の胸に、なぜか突き刺さったように感じた。
麻帆良武道会のアスナさんの言葉が思い出される。
「単にイギリス紳士で礼儀正しいってだけよ。」
「条件反射みたいなモン」
・・・そんなコトはない、と思っても、ネギ先生と最も親しいアスナさんの言葉だけに頭にこびり付いて離れない。
ネギ先生は、ただ自分の思うがままに、相手が誰であろうと関係無く、紳士的に振舞っているだけなのではないだろうか、と。
私と一緒に居る、という意識などないのではないか、と。
彼にとって、自分以外の全てが本当は不必要だと思っているのではないか、と。
そんな楔のような疑惑が私の心を苛んでいく。
突然だが、私は、不器用で、きっと視野狭窄な人間だ。
だから、突然振って湧いた疑惑に対して、何でもないフリをすることが出来ない。
ネギ先生も、私の突然の態度の豹変に、とまどいの表情を浮かべていた。
ここで、私のすべき行動は、なんでも無いです、と言うことくらいは分かる。
でも、私はそれを言うことが出来ない。
当然のように、運ばれてきた昼食の雰囲気は良くない。
ネギ先生は、色々とこちらに話を振ってくれてはいるのだが、どうしても生返事しか返せない。
こんな感情を持て余していては・・・ネギ先生に迷惑が掛かるか・・・。
ネギ先生の戸惑いの表情に心を痛ませながらも、もう寮に帰ろうかと私が思い立ったその時。
「移動しましょう!」
ネギ先生がそう宣言した。
私が、
「帰ります」
とも
「何処へ移動するんですか?」
とも言う暇もなく、さっさとテーマパークを後にするネギ先生。
私が困惑しつつも、そのままネギ先生に後に付いていくと、そのまま電車に乗り込んでしまう。
・・・そして、ネギ先生がたどり着いた場所は。
いつものアスナさんとの修行場所!?
「1対1で組手しませんか?」
移動を始めてから、ソレが初めてのネギ先生の言葉だった。
私は、ネギ先生の意図が読めず、さらに困惑を極めていた。
・・・それでも、お嬢様が今日、戦いは禁止だと言っていたからそれは出来ない。
しかし、私が断るよりも早く、ネギ先生が一息で私の間合いまで飛び込んできた。
『入り』も『抜き』も完璧な瞬動っ!?
咄嗟とはいえ、なんとか初撃はかわして、・・・なっ、攻撃が止まらないっ!?
流れるような動作で、次から次へと死角から一撃が繰り出される。
その流れにこちらが対応しようとすると、ピタリと一瞬動きを止め、新しいリズムで攻めが始まる。
見切りが難しい・・・、剣士にとって難敵であるかもしれません。
相変わらず、中国拳法というヤツはやっかいなっ!!
・・・とはいえ、何時までもやられっぱなしなのも性に合いません!
「はぁっ!!」
無手のまま、構えを取ると同時に、剣気を放つ。
私の攻撃の意志を受けたネギ先生が、あっさりと20m程間合いを広げる。
・・・今度は魔法使いの間合いか・・・。
フフフ、そういえば、『魔法使い』のネギ先生と戦うのは初めてですね・・・。
って!!?
そうじゃないですっ!
今日は戦ってはいけないってお嬢様にっ!
「ネギ先生っ、やめてくださいっ!
今日はお嬢様に、戦ってはいけないと言われています!
後日なら、いくらでもお相手致しますからっ!!」
ネギ先生は私のそんな言葉ににっこりとした笑顔を浮かべ、
「僕は今、刹那さんだけを見ていますよ?」
と言った。
−なっ!?
思わず、私は硬直してしまう。
そんな私を、ネギ先生はにこにこと眺めているだけで、攻撃を加える気配もない。
・・・私が以前言った言葉をそのまま返されるとは思いもしなかった。
確かに、今の私は『お嬢様の言葉』や『アスナさんの言葉』に拘るあまり、捉われていたのかもしれない。
お嬢様は、ただ私が気を張ることがないようにああ言って下さっただけだろう。
アスナさんだって、あの時はそう感じただけで、別に普段からそう思ってるわけなどない。
それに・・・、今思い返してみると、ネギ先生は朝からずっと、私の嗜好に合わせて行動してくれていた。
相手が私でなかったら、疑問に思うような行動も一杯あった。
そんなこと、朝から気づいていたはずだったのだ。
それなのに、誰に対しても同じなどと、今、私と一緒に居るネギ先生を見ようとしなかったのは私だった。
検討違いのことを悩んで、楽しい時間を台無しにしてしまった過去の自分に怒ってやりたい。
・・・でも、そんなことをネギ先生は望んでいない。
−だったらっ!!
何時かのネギ先生のように、
フゥーーー、
と深呼吸する。
それから、ネギ先生の方へと向き直る。
さ、ネギ先生、精一杯楽しみましょう?
そう、心の中で語りかける。
それなのに。
何故か、ネギ先生がぽかんとした表情で立ち尽くしていた。
疑問符で頭の中が埋め尽くされる。
「す、すいません!
そ、その刹那さんがあまりにもキレイだったもので、あの、み、見惚れてしまいました。」
我に返ったらしいネギ先生のあまりにもストレート過ぎる言葉に、今度は私がぽかんとする番だった。
「ネ、ネギ先生っ!?
な、何を言ってるんですかっ!!!」
顔を真っ赤にしてるだろう、私は思わず叫んでいた。
「す、すいません・・・。」
恐縮して縮こまってるネギ先生は、まるで、タダの子供にしか見えない。
・・・本当に、私も先生も、まだまだですね?
全然、ビシッとは決まりません。
だけど、今はせっかく2人で楽しめるのならば−。
「さぁ、ネギ先生、いきますよっ!!」
「ハイッ!
宜しくお願いしますっ!!」
私は、今の、この時間をとても大切にしたいと思った。
「サギタ・マギカ セリエス・ルーキス!」
ネギ先生は50本近い魔法の矢を打ち出してくる。
私は無手のまま、タイミングを計りながら逆にネギ先生の方へ向けて、突っ込もうとして−。
慌てて、後ろに下がりながら、魔法の矢を交わしていく。
魔法の矢、1本1本の軌道とタイミングをずらしているとは・・・。
とても些細な事ではあるが、私のような近接戦闘を主とするものには、やっかいな攻撃方法だ。
恐らく、タイミングをずらすことの有用性を中国拳法から学んだのであろうが・・・、
それを魔法にも応用するあたりに、ネギ先生の非凡が見て取れる。
私は、一度、
フッ!!
と息を吐き、再度ネギ先生へと接近戦を仕掛けるべく、まっすぐに走りこんでいく。
「サギタ・マギカ セリエス・ルーキス!!」
同じ手は通用しませんっ!
私は細かい操作などものともしない上空までジャンプし、そのままネギ先生に向けて滑空しようとする。
「っ!!
アデアット、『い』『ろ』!!」
2本のアーティファクトを盾に突然目の前に現れた魔法の矢を迎撃する。
しかし、突撃の勢いは殺され、再び間合いが元に戻ってしまう。
「ネギ先生、今のは一体・・・?」
私は疑問をそのまま口にしていた。
あの魔法の矢の出現はあまりにも不可解だ。
例え、遠隔操作だとしても、あそこまで私の動きについていくことなど・・・。
「種明かしはコレです。
サギタ・マギカ セリエス・ルーキス!」
ネギ先生は2本の魔法の矢を、全くの検討違いの方向へと打ち出す。
これが、一体??
「インフラクティオ!!」
そのうち、1本の矢が爆発を起こして、もう1本の矢が方向を修正しながら、急加速する!
「な・・・?」
さすがに距離が離れていたこともあり、あっさりと魔法の矢を交わしながら、それでも私は驚愕の表情を浮かべていた。
「どうですかっ!?」
ネギ先生は新しいおもちゃを見つけた子供のような顔で喜んでいるが・・・。
これは、ぎりぎりのタイミングで出されたら、かなり有効な武器になりますね。
そうですか、・・・ネギ先生の恐ろしさは魔力の大きさでも、中国拳法でもないわけですね。
基本の魔法や技を、容易に改良してしまえる賢さと器用さ・・・。
全く、努力する天才とは恐ろしいですね?
「凄いですね・・・、でも、まだまだネギ先生に1対1で負けるわけにはいきませんっ!
まほら武道会の借りを返させてもらいますっ!!」
「望むところですっ!!」
こうして、また、私にとって、至高の一時が始まった−。
「このかー、早く早くって、うをっ!!
何コレ・・・、地面のカタチが変わってる・・・。」
「アスナー、はやいえー。
あーん、せっちゃん、今日はお休み言うたのにー?」
どのくらい組み手が続いていたのかはもう分からないが、ふと人の気配を感じた。
ちらりと横目で広場の入り口を目にすると、アスナさんとお嬢様が口をぽかんと開けて立っている。
「でも、なんだか、2人とも楽しそう・・・。」
「そやなー、うん、やったら止めるわけにいかんなぁ?」
そんな2人のやり取りに思わず頬が緩む。
ネギ先生も同様らしいのは、攻撃の手が止んでいたことからも分かる。
そろそろ潮時か・・・。
−だったら。
「ネギ先生、決着を付けましょう。
あの時とは違って、今度は剣を取らせていただきます。」
そう言って、剣を構える。
それに合わせて、ネギ先生も構えを取る。
心地よい緊張感が場を支配する。
そして、緊張感がピークまで高まった、その瞬間!
私とネギ先生の姿が交錯し、私の休みは終わりを迎えたのだった。
(終わり)